a ji sa i :南畑TASUYA

紫陽花といえば、5月〜7月ごろに咲く植物です。

初夏の季節の風物詩として広く親しまれ、観賞用に庭園や公園によく植えられています。

また、咲き始めの頃は白っぽく、次第に色が変化するところから「七変化」と呼ばれてます。

その「七変化」呼ばれる理由は紫陽花の花に含まれる「アントシアニン」と呼ばれる補助色素をはじめ、土の酸性度、

アルミニウムイオン量、さらに開花からの日数で変化するのです。

「土壌が酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」と土壌の pH (酸性度)は花色を決定する要因の一つに過ぎません。

花弁(正確には装飾花)に含まれる補助色素によっては青になり得ない、またはなり難いものがあるほか、

酸性度は地中のアルミニウムがイオン化する量を左右する要因に過ぎないため、仮に酸性土壌であっても地中のアルミニウムの量が少なければ花が青色になることはなりません。

また、初めは青かった花も、咲き終わりに近づくにつれて赤みがかかっていくので、「赤色の紫陽花を選ぶ」と言う器用な事はできないのです。

それと緑色になることがあり、観賞用として緑の花の品種が販売されることもありますが、日本では「アジサイ葉化病」と呼ばれるウイルス性の病気が稀にあります、一度かかれば治す事は出来ません。

出来る対策は感染拡大を避けるために、発病の疑わしい株は処分するしかないのです。

さらに、紫陽花の蕾・葉・根には毒性があり、牛、ヤギ、人が摂食すると中毒が起きます。

症状は「過呼吸」「興奮」「ふらつき」「痙攣・麻痺」などから経過により死亡する場合があります。

その性質を知らず食用に使ってしまい、中毒事件が実際にありました。

原因物質は葉に含まれる「青酸配糖体」ではないかといわれていたのですが、実際には含まれておらず。

現在の調査ではまだはっきりとしていません。

梅雨の風物詩として、色の変化に富むと同時にこのような毒性には驚きを感じました。

「紫陽花の 変わりし色も 輝くは 己を守り 梅雨を彩る」

2011年6月11日
テクニカルドキュメントグループ 南畑TATSUYA