私にとっての地図とは  _by【ё】/

 

皆さんこんにちは 【ё】/ 地図制作部制作3課のまがもっちです。

 

スタッフブログを開始して、1ヶ月が過ぎました。

参加人数も徐々に増えてきています。

社内では、ブログネタでコミュニケーションする機会が増えたり、

職場が離れているため接する機会の少ない社員のことが少しのぞけたり、

テクノアートの社員として、団結心が芽生えてきたことは確かだと思います。

社外の方々には、テクノアートのことをもっと知っていただけるような

スタッフブログにしていきたいと思っていますので、

今後ともよろしくお願いします!

 

 

今回は、地図について少し語ってみようと思います。

 

今週、私は京都の通り名マップの頁を担当しています。

先週末に取引先で説明を受けてきたものを、今朝からスタートさせました。

白紙の状態から地図を作っていくというものではなく、

商品化されたデータを流用して縮尺を変えたり、仕様を変えたりしていきます。

 

京都市はどの都市よりも「通り」を重視しています。

国道番号や府道番号より「通り名」で道案内します。

住所は、正式な住所に加えて、通り名を示した住所表記があり、

こちらの方が日常的に使われているようです。

そういう訳で、通り名専用の頁を別に作ろうという考えでしょうか。

京都市の中心部には、「四条通」「烏丸通」など200弱もの通り名が存在します。

これだけの通り名を1頁に収まる地図に格納するのはなかなか大変なことで、

道路に色づけしたり、番号をふったりして、

図外のリストとリンクできるようにしてあります。

数ある通り名を覚えるために「通り数え唄」というものがあるようで、

京都では子供のころに教わる唄なのだそうです。

「まる たけ えびす に おし おいけ あね さん ろっかく たこ にしき・・・♪ (以下略)」

私も覚えようと試みましたが、ここまでしか覚えられてません。

現地を歩いて、体で覚えていくしかないのでしょうか。

 

 

一昨日の土曜日ですが、偶然にも京都に行く機会がありました。

学生時代の友人と数年ぶりの再会のためです。

所属の地理学科は旅好きが多く、メンバーを変えてはあちこちに旅行してました。

その中の中心メンバーで今回に会うことになったのです。

 

当時それぞれ担当が決まっていて、私は旅行プランを立てる担当でした。

今回も、皆の意見を聞いてプランを立てるつもりでしたが、

京都でタクシードライバーをしている友人がいて、彼に任せました。

地図制作の私でも、タクシードライバーの知識量には到底敵いません。

 

ちなみに、この友人は当時からドライバー担当で、

国内どこへ行くにも運転をしてくれていました。

私は、プラン立てる他に、助手席で地図を広げてナビをする担当もしていました。

このときの経験が、今の仕事に繋がっているのかもしれません。

 

出町柳集合で、鴨川デルタより北部、賀茂川と高野川周辺を、車で移動しました。

断っておきますが、タクシーではありません。タクシードライバーのマイカーです。

旅行の内容は省略しますが、昔の旅行話や今の仕事の話、家庭の話など、

時間を忘れるほど楽しい時間でした。話したいことは山ほどありましたが、

後ろ髪をひかれつつ再会を約束して帰路につきました。

 

話を戻しますが、今日はいちにち、京都の地図を画面に見ながら仕事をしていました。

一昨日、通った道、出会った人たち、立ち寄った店、山奥のお寺・・・

地図でその場所を目で追っていくことで、はっきりと風景が思い出されます。

私にとって、この仕事の一番の魅力はこういうところにあると思います。

これまで行ったことのある場所や通ったことのある道はだいたい頭に残っていて、

その場所が地図に出てくることで、パッと風景が頭に浮かびます。

これは能力とは言えないと思いますが、強みではあると思います。

 

逆に、行ったことのない場所、見たことのない場所を、地図の表現だけで

想像できるのは能力だと思います。(縮尺や地図の表現方法で限界がありますが‥)

地図を利用する人は、地図を読める能力がある人ばかりではありません。

地図の表現次第で、誤った解釈をしてしまうこともあるでしょう。

地図を作っていく側は、誰でも正しい判断ができる地図表現と、

正確で鮮度のある情報を提供し続けなければならないと思います。

 

というわけで、私にとっては地図とは、

自身の思い出を呼び起こす道具であるのと同時に、

利用する人のことを考えながら、全力を注ぎこんで作り上げる作品だと思っています。

企画から地図を作りあげていくことはまだまだ少ないですが、

様々な種類の地図づくりに関わって、引出しの多い制作者になっていきたいです。

 

 

“私にとっての地図とは  _by【ё】/” への3件の返信

  1. 初めまして。(いや、初めましてじゃないかな?)
    いつも興味深く読ませてもらっています。
    ここはまがもっちさんの情熱が伝わってきますね。

    今の時代に地図は売れないって言われてますが、
    一方でエルマガの「地図本」が大ヒットして、
    他社がどんどん後続で出したりってこともありました。
    「あれは厳密には地図じゃない」なんて人もいるかもですが、
    厳密な地図が欲しいヒトがいないから、地図が売れないんでしょう。

    要は何をどう見せるかですよね。
    あるものをそのまま見せるのじゃあなく、
    目に見えないものを見える形にしたり、
    逆に目に見えるものを見えなくしたり。。。

    私は地図が特別好きってわけじゃあないですけど、
    だからこそ「こんなのがあればなぁ」っていうのは
    考えたりします。

    まがもっちさんはきっと、面白いものを作られる方だろうなと思います。
    どうぞこれからもがんばってください。

  2. 貴重なご意見ありがとうございます。

    エルマガの雑誌はいつも感心させられます。
    地図もそうですが、写真の見せ方がとても上手いと思います。
    『Lmagazine』の発行部数が多いのも納得です。

    実は京都にいく前日、ちゃっかり『SAVVY』の甘味処特集を
    ぱらぱら見てたんです。
    数年前ので、掲載情報は古いのですが、
    新鮮な感じで見れるんですよね。色褪せないというか。
    地図の頁もいい感じでした。

    市販の道路地図などを見ると、どうしても古い印象を
    もってしまいます。
    経年情報は仕方ないのですが、デザイン的に。

    5年以上も同じ地図を使い続けている人が多いようです。
    地図を開く度に、新鮮な気持ちで見れるような
    画期的なデザイン(見せ方)はあるのでしょうか?

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