乗り越えられる壁だからこそ現れる_その先の夢を掴むために

ブラインドサッカーという競技種目があることを今朝のテレビ番組で知った。

視覚に障害を持つ人が行うサッカー競技で、全盲の選手がピッチを所狭しと走り、夢の詰まったボールを追いかける。

私はこの番組を見て目と耳を疑った。

視覚に障害が有るのにサッカーなど出来るのか?

どんなカラクリがあるのだろうか?

初めてブラインドサッカーを見た人は一様にそう思うのではないだろうか。

ブラインドサッカーは視覚障害者のサッカーとして開発され、B1クラスとB2/3クラスとが有り、B1クラスはアイマスクを装着し全盲状態でサッカーを行う。

ルールはフットサルを基本として考案されているらしい。 フィールドに立つ選手は4名、ゴールキーパー、監督の他にコーラーと言う役割を担う者がいる。 ゴールキーパー、監督、コーラー
は健常者がつく。

ボールは通常のものとは異なり、中に特殊な鈴が入っているので「シャンシャン」と音が鳴る仕組みになっている。 選手はボールから聞こえる音、仲間と相手選手の声を聞き、気配を感じ、コーラーからの指示(ボールへの距離やける方向を示す)を受けてゲームを進める。

こうやって説明すると、「へぇ〜なるほど」だが、想像してほしい。 全盲なのである。。。これは健常者故に想像できる恐怖であろうか。

インタビューを受けた選手は幼い頃にガンで両目の視力を失い、義眼を装着して人生を送ってきた。視力が有った頃に読んだマンガ本「キャプテン翼」は彼のバイブル的な本となり、将来サッカーすることを夢見ていたという。 なのに生でサッカーの試合を見ることなく視力を失った。 そんな彼がブラインドサッカーと出会った時、「これで俺もサッカーが出来る」と喜んだ。

視覚障害というハンデを背負いつつ、自分の夢を追いかける。 今は世界大会出場を目指して練習に余念が無い。

見ていて熱いものがこみ上げてきた。 感動だとか、凄いなんて、簡単な言葉ほど彼らにとっては意味の無いもののように思えた。

健常者には想像できない幾多の困難を乗り越えて夢を掴もうとしている。

幾つか抱えている問題を考えて溜息をつく自分がとても恥ずかしくなった。

昔、ある師匠に叱られたことが有る。 やる前から「無理な理由を口にするな」と。さらに「お前に越えられる壁だからこそお前の前に現れたんや」と続けた。

2009120408390000

大した問題ではない。そう、解決できる。目を背けずに一つ一つ取り組めば結果はついて来る。

日本視覚障害者サッカー協会 WEBサイト

2009年12月4日

企画営業課 川内カツシ